第23章 また、近いうちに(白布 賢二郎)
コンビニの袋をぶら下げて、マンションに戻ってくる。
少し歩いただけなのに汗ばんでしまった。賢二郎の首筋にも汗が滴っているのが見えた。
エレベーターに乗り込むと賢二郎が7階のボタンを押す。
「……」
私が黙って彼の顔を見上げていると
「なに。俺んち来るの、自分の家帰るの、どっち」
「行く」
かぶせ気味に即答すると、賢二郎は垂れてきた汗を腕で雑に拭った。
「片付け手伝えよな。俺の部屋母さんの荷物置き場になってんの。ひでーよ」
賢二郎がいつもより良くしゃべるのは照れ隠しだということを思い出した。
「また、近いうちに」Fin.