第6章 星をさがしに(国見&金田一)
俺たちは小学生の頃、新興住宅地の完成と同時に引っ越してきた。
3人そろって転校生だったので、なんとなくずっと一緒につるんできた。
3人とも一人っ子で、凪沙は俺たちより1学年下だったので、本当の兄弟のように育った。
小4の頃、凪沙の親が天体望遠鏡を買ってくれて、
それがきっかけで3人で星にはまった。
図鑑の写真を眺めたり、
マニアックな星の名前を競うように覚えたり。
今でも俺たち3人は流星群がやってくる日にはこうして集まっては星を見に行く。
目的地は、中学の近くにある山。
山と言っても少し小高くなっていて、
見晴らし台が広がっているだけのささやかなもので
子供の時は、本当に山だと思っていたけど、今にして思うとただの丘なんじゃないかと疑わしい。
でもそこを上る階段が急で長いので、普段はあまり行く気になれないのだけれど。