第6章 星をさがしに(国見&金田一)
午前2時30分。静かで、真っ暗な夜を俺は歩いている。
「あ、英ちゃん来た。はやくー!」
暗闇の中で俺を見つけた凪沙が手を振る。
隣には金田一が立っている。
「寒いねー。」
凪沙は手袋と耳当てで防寒対策万全といった様子だ。
「ほら、行くぞ。寒いから走るか。」
金田一はいつものことながら軽装で、鼻の頭が赤くなっている。
彼が走り出すと、凪沙が楽しそうに笑い声をあげて後を追った。
「元気だなあ。」
俺は軽く呆れながら二人の背中を追いかけた。
すぐに凪沙に追いついて、でも抜かさないで少しだけ後ろを走る。
凪沙の一つに結んだ髪がぴょんぴょんと揺れるのを眺めていたら、彼女は振り返って話しかけてきた。
「相変わらずゆうちゃんは速いね。」
「体力有り余ってるんだよ。あいつは。」
俺はそう言って凪沙の背中を押してやる。ここから少し上り坂だ。
「ほら、あと少し。」