• テキストサイズ

【ハイキュー】短編中編つめあわせ

第5章 君は僕と会わないほうがよかったのかな(二口 堅治)


「うわ、東北さむ……。」

電車を降りて、俺は思わず上着のボタンを閉めた。

携帯を取り出して、実家に電話する。

「え、堅治もう着いたの?
おとうさーん!堅治、駅まで迎えに行って!!え!?なに!?お酒飲んじゃったの?
なにしてんのまだ4時よ!まったくもー。」

「分かったよ歩いてくからいいよ。
俺の分もビール冷やしとけってクソジジイに言っといて。」

電話を切って、俺はため息をついた。

久しぶりに地元を歩くのも悪くないかななんて、
ガラにもないこと思っていると俺も歳とったなーとしみじみする。
駅や町はあちこち新しくなっていて雰囲気も少し変わっている。

「あ、このへんか……。」

凪沙の通っていた高校の近くを通る。確か彼女の家もこの辺だったはずだ。

あの後、彼女が本当に実家に戻ったのかどうかは知らない。

でもなんとなく、ここに来たらもしかしたら彼女に会ってしまうような気がして、俺は正直怖かった。

もしかしたら、結局東京で就職したかもしれない。
そう心のどこかで期待しながら俺は今日まで来てしまったのだ。

元々共通の友人もほとんどいなかったので近況を知る由もない。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp