第3章 東峰、部活やめるってよ。(菅原 孝支)
「東峰は、最近どう?」
突然話題が変わって私は拍子抜けする。
あの噂を思い出す。
「うーん、まだちょっと無理そう……。
何かきっかけがあればいいんだけどな。ていうか俺もさ、
もう少し旭とか大地のこと支えられるようにならないと。」
「うん。私も……。」
「清水は何も心配しなくていいべ。
旭のことも、俺がなんとかする。元々、俺の責任だし……。
あいつメンタル弱いから、放っておいたら本当に辞めちゃう気がするけど、しつこく誘えば、根負けしてくれるかもしれないし。
ほら、俺そういうのは得意だからさ。」
あくまで菅原君の声は明るい。
「あんまり無理しないでね。もし菅原まで折れたら……。」
「大丈夫だって。な?ちょっとは俺を頼ってよ。」
そう言って彼は立ち上がって彼女の髪に触れた。
清水さんが顔を上げて、二人は触れるだけのキスをした。