• テキストサイズ

【ハイキュー】短編中編つめあわせ

第18章 何度目の青空か(木兎 光太郎)


洗面所で顔を洗って、寝癖を直して、店に入る。

「おっせーぞ!ほら、はやくはやく!!」

木兎に手招きされて、早川は隣に立つ。

「背景何色にする?」

早川がそう聞くと、木兎は即答する。

「あお!空の色がいい!」

色とりどりの背景色がロールカーテン状になっている。その中から、
空色の紐を引っ張ると鮮やかなスカイブルーが降りてきた。

「小道具は……いらないな。二人並んで立て。光太郎はブレザーのボタン閉めろ。凪沙は足とじろ。」

カメラを構えた祖父の指示に二人は従う。

その時ばかりは木兎のおしゃべりも止まる。

繰り返されるフラッシュとシャッター音を浴びながら、

「木兎、入学おめでとう。」

隣にいる木兎にだけ聞こえる大きさで早川はつぶやいた。

「え?」

「本当の入学のときには言えないから。今言っとく。」

少し鼻声になっていることに、木兎は気付いただろうか。

「おう。ナギも、入学おめでとう。あと、新しい制服すっげー似合ってる。かわいい!」

その大きな目を細めて、木兎は笑顔を向けた。

早川もつられて頬が緩んだ。

/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp