第17章 てのひらの恋(澤村 大地)
何がどうしてこうなった。
こんなときどうしたらいい!?
俺の家の最寄駅で降りて、24時間営業のスーパーに入る。
早川さんはカゴにアルコールやつまみを放り込んでいる。
「あの、早川さん。帰ったほうが良いですよ。まだ終電ありますから。」
「なにいってんのここまで来て。」
「いや、だっておかしいですよ。どう考えても。」
「あ、私の噂聞いてビビってるの?だったら大丈夫、さっきも言ったよね。私、遊ぶ相手はちゃんと選ぶから。」
なんのためらいもなく彼女はそう言って、レジへ向かった。
早川さんの性格、ほんと掴めない……。
「はい、じゃあかんぱーい。」
「かんぱーい……。」
結局、俺の部屋で早川さんと俺は乾杯をしている。
男の一人暮らしの割には片付いている方だと思う。
でも女の子が来ることなんてまったく想定していなかったから下着は干しっぱなしだし(すぐしまった)、
エロ雑誌は出しっぱなしだし(すぐ片付けた)、
もしかしたら変な毛が落ちてないとも限らない(コロコロしとけばよかった)。