第12章 裏路地のうさぎ(福永 招平)
俺はごはんもお風呂も歯磨きも全部済ませて、部屋でパソコンを立ち上げた。
ちょうど10時。
SNSにログインする。
ナギのページに飛ぶ。
「ナギ、いる?」
俺は少し寒いので部屋の窓を閉めた。
ピロン
返信を知らせる音が鳴る。
「しょーへー、待ってたよ。今日も部活?」
「うん。」
ナギはリアルではどうか分からないけど、少なくともネットでは女の子らしいしゃべり方をしない。だから話しやすい。
俺は、この前見つけた洋楽アーティストのMVのURLを張り付けた。
ピロン
「お疲れ。あ、これ知らないやつだ。良いね。
やっぱUKロックいいよなぁ。」
今度はナギがURLを送ってくる。
いつも俺たちはこんな感じで音楽を聞きながら話をする。