第11章 Sunny Sunday(黒尾 鉄朗)
「なに大人しく触らせてんだよ。」
「だって……騒ぎになったら嫌だし。」
「はあ?」
「せっかく久しぶりに一緒に出掛けるのに、そんなことで時間とられるなんて、楽しくない。」
私がぼそぼそとつぶやくと、鉄朗はため息をついた。
「どこ触られたの。」
「足とか……。」
私が答えると、よしよしと言いながら太ももからお尻を撫で上げた。
「遅刻したのは俺が悪かったよ。ごめん。でもこういうのはやめてほんとに。
凪沙が他の男に触られるのとか俺すげえ嫌だから。」
「……鉄朗が一緒にいれば痴漢なんて合わなかったし。」
「ソウデスネ……。」
私の反論に、鉄朗は返す言葉もないらしくカタコトで答えた。