第2章 野郎だらけの勉強会
笠松side
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松永の拗ねた顔を見た途端、自然と手が伸びる。
あまりに自然過ぎて、行動が、感覚より先を行った。
【クシャッ】
気がつくと、俺の手は、松永の頭の上にあった。
髪の毛を軽く掴んでいた。
「やべっ!!///;;」
手を引くのと同時に、思わずそんな言葉が出た。
「……なっ、な、なに、するんですかっ///;」
松永の頬が真っ赤に染まるのがわかる。
「わっ、わりぃ//;」
【カンッ!!ビシャッ!】
「あっ!!;;」
「す、すまん!;;;」
やべぇ、麦茶倒しちまった。;;
「……へっ、くしゅっ!」
俺が倒しちまった麦茶は、勢いよく松永にかかってしまった。
「本当にすまねぇ!!」
慌ててハンカチやティッシュで拭くが、とても追いつきそうにない。
「だ、大丈夫なので!/;;み、皆さん、一度部屋の外に出てもらっていいですか…?/;;;」
松永に言われるまま、俺たちはそそくさと部屋の外へ出た。
「……笠松先輩、あれはちょっと、ガッつき過ぎッスよ。めぐみちゃんは、恋愛経験少なさそうなんで、
もっとゆっくり攻めないとッス。」
「おっ、俺はそんなつもりは!//;;;『ホントになかったって、言えるんスか?』
!!
確かに俺は、自然と松永に触れようとしていた……
ただ単に、話しやすくて……
それでいて、俺のことを、まるで昔から知っていたかのように、よく理解してくれて……
それに……
体育館で後ろ姿を見かけた、【あの時】から……
俺は、松永が気になっていたんだ。
忘れもしねぇ…
去年の全国、俺たちが敗退したあの日の翌朝。
俺のせいで、負けた。
その悔しさで、俺はいっぱいで、一睡も出来ないまま、
まだ日が昇り切らぬなか、体育館へと足を運んだ…。