第3章 夏の終わりに、咲く桜
笠松side
ーーーーーーー
クソッ!!
俺のせいで、、、!
夏の全国大会、決勝戦、終盤。
俺のミスで失点し、海常高校は、全国優勝を逃した…。
【お前のせいだけじゃない。】
そう仲間が声をかけてくれたが、そんなのはただの慰めの言葉でしかねぇ…
俺は!!!
…なんとしても、先輩たちに、全国優勝をプレゼントしたかった!……ッ…。
自分の不甲斐なさに、一睡も出来ねぇまま、俺は朝を迎えた……。
……どんなにひでぇ日でも、朝ってのは、必ずやって来るモンだと、俺はイヤになった…。
午前5時。誰も居ねぇ体育館へと、俺はひとり、やってきた。
まだ薄暗いなか、シュート練習する。
無惨にも、ゴールに弾かれたボールと、少し揺れたゴールポストの音だけが響く。
「…クソッ!!バカ野郎が!……ッ…」
あんなに血反吐吐くほど練習しても、俺は、チームの足手まといなのかよ!!
誰も見て居ないせいか、自然と涙が溢れ出てきて、止まらない。
そんなときだった。
【ガッ!】
突然、体育館入り口のドアに、なにかが当たった音がした。
「…ッ!」
クソッ、誰かに見られちまったか。
見られたくない自分の泣き顔を、海常高校バスケ部と書かれた青いタオルでグシャグシャに拭き、俺はドアを勢いよく開けた。