第2章 野郎だらけの勉強会
「…おっ、俺も、参考書、買おうと思ってな。
ちょ、ちょっと数学でわからねぇとこがあんだよ。」
相変わらずたどたどしい日本語で話す笠松先輩に、
思い切って、私は聞いてみることにした。
「…笠松先輩、ひょっとして、女性、苦手なんですか?」
すると笠松先輩は、目をまん丸に見開いて、眉間に一瞬皺を寄せて、驚いた顔をした。
「…………嗚呼。…よく、わかったな。お前…//」
事情を知られてホッとしたのか、笠松先輩は小さく照れ笑いを浮かべた。
「…嗚呼、私も、人見知りなんで。それに!部活のときとか、試合のとき、先輩普通に部員にも、相手校の選手にも、接してるように見えたので……。」
なんだか色々話しているうちに、私、やたらと笠松先輩について詳しいような気がしてきた…/;;
「……ありがとな。/」
言われた本人もそう感じたらしく、先輩も照れていた。
「なぁ……、そういえば、こないだの礼、お前に言ったんだぞ?なんか、隣のやつに返事されたけど。」
…?
こないだ……こないだ………
あっ!あれか…
「そうだったんですか?…私はてっきり、佐藤さん。…あー、あのとき隣いた後輩の子に、言ったんだと思ってました。」
「ったく……、んなことだろうと思ってたよ。」
「……なんか、すみません。」
本当は、
なんで、先輩が悪態ついてんですか。
だいたい、女性が苦手なら、話しかけなきゃいいじゃないですか。
って言おうと思っていたけれど、、
先輩の顔が、急に真っ赤になったもんだから、
思わず謝ってしまった。