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誰よりも輝いて【黒バス 笠松 幸男】

第2章 野郎だらけの勉強会




6月に入り、中間試験まであと2週間となった金曜の夕方。


私の部屋には、わんわん煩い犬がいた。


……正確には、犬より煩い、幼馴染みの廉がいるのだ。


「できるわけねぇよ!あと2週間だぞ?!なんで算数に英語が出てくるんだよ!」


「…数学ね、それ。」


「嗚呼、だめだ〜!俺は英語はだめなんだぁ〜〜!」


「あんた、昔から、地理以外は全滅だったじゃん。」


「なんだよー!俺はいつも平均点くらいだぞ〜…」


テーブルに突っ伏した廉に、さらなる追い討ちをかける。


「それは私が試験前に教えてあげてるから、
……だよね?」


「うぅ〜〜……、めぐみが虐める〜」


完全に突っ伏した廉を横目に、部屋を抜け出す。


ああなると、昔から煩いのだ。


下の本屋で(自分の家だけどw)、時間を潰す。


幸いなことに、お客さんは誰もいない。


参考書を立ち読みしていると、団体客が入ってきた。


うちの制服を着ている。


…海常の生徒だ。


全員男子。


明日から部活動がテスト週間で禁止になるから、
その前に隣で、みんなでご飯を食べた帰りなのだろう。


…おそらく。


だいたい、団体客は隣の店から流れてくるからね。


体格からして運動部だな。


参考書を片手に盗み見ると、ひとりがこちらへと向かってきた。


「……勉強熱心だな。」


ん?


このちょっと緊張して小声になってしまっている話し方、なんか聞き覚えあるぞ?


「…ど、どうも。」


そう言って右を向くと、やっぱり、



笠松先輩が立っていた。


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