第9章 初恋はウソの味
「…新入生代表。
1年D組、玉利めぐみ。」
はぁ…
なんとか…全部言い終えた。
やっぱり嫌だな。人前でこういうの…
向いてない……。
代表挨拶が無事終わり、私はひとり、関係者控え席から離れてD組の最後尾へと並んだ。
周りからはチラチラと私を見る視線。
苦手だ。
「…なぁ?あの先生って、玉利はヅラだと思う?」
「へ?」
あ……
突然前から話しかけられたから、ビックリして変な声出ちゃった。
…恥ずかしい。/;;
「ふふっ、わかってるよ。やっぱり近くで見るとヅラだってわかったんだろ?玉利も。」
そんな得意げな顔で言われても……;;
でも、なんかありがたいな。そういうの…。
一番後ろにいるってことは…
出席番号が最後の、【矢吹 奏太くん】 だよね…?
「えっと……、矢吹…くん?」
「えっ?俺の名前なんで知ってんの?!俺たち小学校とか全然違うのに。」
「…出席番号、D組の最後、矢吹くんの名前あったから…」
すっごく驚いてるな。
書いてあったし、そんなに驚かなくてもいいのに…。
「すげー嬉しい。ありがとう。」
「べっ、…別に。/」
そんなに笑顔で言わなくていいし、対したことしてないし……。/;;
なっ、なんだろ???/
なんか、変だな。;;
久しぶりに廉以外の男子と話して緊張したのかな…?;
…顔が熱いな。;