第6章 君の壁を壊す
正直、廉以外の人間とお祭りに行くことなんて、二度とないと思ってた。
廉だってそうなのだろう…。
わざわざ待ち合わせの連絡なんてしない。
毎年、八百屋の【若菜屋】の前で行われるスイカ割りを皮きりに、5時から始まる夏祭り。
いつも5時くらいに若菜屋にいけば、
割れなかった人にと、小さなスイカをひとかけら、若菜屋と書かれたビニール袋に詰めている廉がいる。
とくに、なにか待ち合わせの言葉をかけ合うわけでもないけれど、、
6時を過ぎたあたりで、私は瓶ラムネを買いに行く。
若菜屋に戻ると、だいたいスイカ割りの片づけをしている時間になる。
【お疲れ】
その言葉がまるで合図のように、瓶ラムネで軽い乾杯をする。
………それが、私の
夏祭り。