第4章 一緒に見る夜空は…
午前9時。7月の、ある土曜日。今日から3日間行われる海常高校バスケ部の夏合宿。
「2年A組、玉利めぐみです。…よろしくお願いします。」
「「よろしくお願いしますっ!」」
元気なバスケ部のマネージャーさんたちに囲まれ、思わず恐縮してしまう…。
家庭科室でお昼ご飯を作る前に、私と清宮先輩の自己紹介が行われた。
とはいっても、清宮先輩を知らない人は、この学校に先ずいないだろう。
美人で清楚で、男子に大人気の清宮先輩は、良くも悪くも、女子生徒にも有名なのだ。
「3年A組の清宮玲子です。よろしくお願いします。」
「「…………よろしくお願いします。」」
そんなこともあって、ほんの少し、マネージャーさんたちの挨拶も違っていた。
とくに下級生は、抵抗をもっているようで、清宮先輩をチラ見している。
地味な私とは…確かにわけが違うとは思うけど…。
あからさまだなぁ…、一年生諸君よ……。