白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第12章 ★夏合宿★
チラッと光を横目で見るテツヤ、その視線を感じ取ったのか、光は不服そうな顔でため息をつくと私に一礼してから元来た道を戻っていった
私とテツヤは、砂浜に転がっている大きな流木の上に腰を下ろした
黒子『それで、何があったんですか?』
『ちょっと、お母様のことを思い出していたの...そしたら会いたいとか思ったりしちゃって』
黒子『........』
『ダメよね、いつまでも過去にすがってちゃ』
黒子『いえ、ダメではありません』
気がつけば、テツヤに抱き締められていた
彼のシャツから香る柔軟剤の香りと、少しの汗の匂い
相変わらず男にしては細い体だけど、背に回された腕はしっかりと筋肉がついていた
黒子『子が親を思う気持ちにダメだとかそういうものは絶対にありません』
そっと頭を撫でられる
黒子『それに貴女は幼いときに両親を亡くした....まだ甘えたいときに...そんな人が会いたいと思ってはいけないなんて、僕は間違っていると思います』
あぁ、テツヤ、貴方はいつも私の欲しい言葉をくれるのね
再び溢れそうな泣きたいという気持ちを我慢する
黒子『我慢しないでください、貴女は負の感情を出さない癖があります...僕はそれが嫌です、泣きたいなら泣いてください』
『テツ、ヤっ...』
黒子『辛いなら言ってください...貴女にはもっと頼って欲しい、弱いところを見せて欲しいんです』
『っ...ぅ...』
黒子『良い子ですね、素直に泣いてください』
優しい声色が耳に響く
私は彼の腕の中で久しぶりに声をあげて泣いた
『ごめんね、テツヤ』
黒子『いえ、零蘭さんがスッキリしてくれたみたいで嬉しいです』
『優しいよね、テツヤは』
黒子『貴女にだけですよ、愛しい人なんですから』
フワッと微笑むテツヤに、ありがとうの意味を込めて、そっとキスをした
黒子『っ///』
『大好き♪』