白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第9章 ★青との対決・学んだ敗北★
何言ってるんだろ...私。いきなりこんなこと言われて彼を困らせるだけだって知ってるのに...
訂正しようと顔を上げた瞬間、突然体が優しい温もりに包まれる
高尾君が抱きしめてくれたのだ
高尾『これでいい?』
『ん...ありがと...』
優しいヒト....。私を見つめる猛禽の瞳が柔らかく色づいている
高尾『零蘭ちゃん、諦めたらダメだからね?』
『分かってる....諦めないから。次は必ず勝ってみせるよ』
高尾『それでこそ、零蘭ちゃん』
背中をトントンと軽くあやすように叩かれ、次第に心が落ち着いてきた
高尾『なぁ、今こんなこと言うのもあれだけど、キスしたい....ダメ?』
『ん、いいよ』
優しく顔を上げさせられ、額をくっつけ合う
そして唇に柔らかい感触を感じ、互いに食むように求め合った
『んっ...高尾君、慣れてる?』
高尾『全然、ファーストだったし....にしても、ホント可愛いなぁ』
『ありがと....』
私は高尾君にもたれて静かに目を閉じた
高尾『ねぇ、零蘭ちゃん』
頭を撫でる手は優しく、耳元に聞こえる声は低くて心地よい
『なぁに?』
高尾『名前で呼んでよ....』
『和成....』
高尾『やべぇ、零蘭ちゃんに名前で呼ばれただけで今俺スッゴイ幸せなんだけど』
『フフッ、良かったわ』
高尾『笑顔も可愛いし、もう一回キスしちゃお♪』
『んっ....』
高尾『甘い....俺零蘭ちゃんにハマりそうだわ。こんな気持ち、初めてだ.... 』
『私も、和成の事少し好きになった。男の人として』
高尾『っ///家まで送るよ』
和成に差し出された手を掴み、ゆっくりと帰路についた
だけれどその後の試合は悲惨だった
桐皇の戦いの爪跡は大きく残り、残りの戦いに大きく響いた
大我は足のために欠場
テツヤも不調気味
そして私達のインターハイの挑戦は終わった