白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第9章 ★青との対決・学んだ敗北★
〔白崎零蘭〕
4Q
残り5分、93-53
海常戦も秀徳戦も、大我はどんな強敵にも食らいついて止めてくれた...
今度もきっと何とかしてくれる
心のどこかで皆も、私も思っていた
....でもそれはとんでもなく甘かった
大輝は、大我にも誰にも止められなかった
黒子『それでも...諦めるのだけは絶対、嫌だ!』
テツの叫びに、皆がハッとする
ベンチにいる私たちも、中の選手も精一杯声を出す
あぁ、私が試合に出られたならば....試合をただ見ることしか出来ない私に酷く腹が立つ
全員が全員、誰一人と諦めずに最後まで戦った
それでも、無情に点差は開きつづけた
青峰『...諦めの悪さだけは、認めてやる』
大輝の小さく呟きは何故かはっきり聞こえた
ーーーーーーーピーッ!!
112-55
試合終了の笛がいつもより嫌に耳に響く
私達は...負けた......
涙なんて出ない、寧ろ流しちゃダメ
笑ってないと....
でも....ああ、これが敗北....バカみたいね
今まで負けを知って強くなるなんて、皆に言ってきたのに、いざ負けるとこんなにも苦しいのね
中学時代彼らのお陰で私は敗北を味わったことがなかった
そんな私が言えることじゃなかった、なんて自分を嘲笑う
圧倒的に負けた私達は暗い気持ちで会場を後にした
帰り道、一人で歩く
いつも優しい風が、今日は何故だか冷たく感じた
初めての敗北に頭が追い付かない
?『そこの可愛いお嬢さん、ちょっと待って』
『...誰?』
薄暗くてよく見えなかったけど、その人は私の近くまで来てくれた
『高尾、君?』
高尾『おう、お疲れさん...試合だったんだろ?見に行けなかったんだけど』
『そう...』
高尾『ん?どうしたの?元気ない...あっ、ごめんな』
高尾君は鋭いなぁ、私が試合に負けたことにすぐ気づくなんて
『ねぇ、高尾君』
高尾『ん?』
『抱きしめてくれない?』