白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第10章 ★苦手なヒト★
〔白崎零蘭〕
ある日の夜、テツヤは残りたいと言い出し、私も一緒になって残った
ボールをつく音とリングにボールが当たって落ちる音だけが真っ暗な体育館に響く
『テツヤ、シュート相変わらず苦手ね』
黒子『うっ....零蘭さんもしますか?』
『じゃあ、やろうかな?』
テツヤからボールを受け取り、その場からスリーを打つ
リングに当たる音は聞こえない
黒子『相変わらず凄いですね...じゃあ、次は僕とのアリウープはどうですか?』
『良いわね♪』
テツヤにボールを返し、少し後ろに下がる
走りながら、テツヤがゴールに向けて放ってくれたボールを、ジャンプして掴みながらリングに叩き込む
ガンッ!!!
『よっと...テツヤのパスは正確で良いわ♪』
黒子『ありがとうございます』
笑い合う私達
すると突然体育館の奥から人の気配を感じた
その人はこちらに歩いてきて、ちょうど覗いた月明かりに照らされる
その顔を見た瞬間、私は焦った
退院したのね、木吉さん
私は直ぐ様テツヤの後ろに隠れる
同じ背丈だから腰を屈めて
木吉さんは私に気づかないのかテツヤと話始める
『テツヤ、私先に帰るね(ボソッ)』
そっと後ろで呟き、バレないように月明かりのない影に後ずさりで退散した
なんて人生は上手くはいかない
木吉『おっ?そこにいるのは白崎か?』
『(ヤバッ!!)』
木吉『久しぶりだな~♪中学の試合以来か?』
『あっ、そ、そうですね...お久し振りです』
木吉『ん?どうした?』
『あっ、私もう遅いので帰りますね(焦)』
急いで背を向けて走り出す
黒子『彼女に何かしたんですか?』
木吉『あぁ~、ちょっとな?』