白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第25章 ★赤色王者の猛攻★
火神『諦めてない?』
黒子『はい...彼は、何かやろうとしてる』
『秘策でもあるんじゃない?』
しかし、スタートであるPGの高尾からボールが動くことはなく、刻々と時間が過ぎていく
小金井『バイオレーション取られるのに10秒切った...やっぱり攻めあぐねてる!?』
木吉『それもあるだろうが...それ以上に恐らくこれからトライすることは相当リスキーなんじゃないかな....?残り時間と点差を考えればもはや一つのミスが命取りだ。迷いや不安はミスに繋がる。つまり動くのは...覚悟を決めたときだ』
多くの観客、そして選手に見守る中、緑間は思い出す。入学して間もない頃、高尾と初めて会った日、それからの練習の日々
第一印象で気にくわないと思っていた高尾がかつて己に対抗心を持っていた事、今は自分を認めさせるためにひたむきに努力している事
『残り三秒...』
緑間『(これは賭けだ...自分を信じる以上に仲間を信じる必要がある。俺が人事を尽くすだけでは足りない、だが不安はない。このチームに、人事を尽くしていないものなどいない...!!)』
緑間の瞳に覚悟の光が灯る。すると緑間はあろうことか突然シュートの構えを取り出した
『ボールを持ってないのに3Pの構え....!?』
それが合図だったかのように、即座にゴール下に木村と大坪が場所を陣取り、リバウンドの体勢を取り始めた
赤司『(何をやっている....?まさか...)』
信じられない行動に、赤司の表情にも困惑の色が隠せずにいた
構えのまま緑間はその場で跳び上がると、待ってましたと言わんばかりの見計らったタイミングで、高尾からボールがパスされると、なんとそのまま空中で放ったのだ
それは通常よりも更に高く大きな放物線を描き、見事リングに吸い込まれていった
ワァァァァァァァ!!!
?『何だ今のは!?』
?『空中で取ってそのまま3P!?』
?『ありえんのかそれ!?』
緑間と高尾によるありえない連携シュートに会場からは驚きと歓喜の歓声が上がる
氷室『確かにあの高さなら例え先が視えていてもカット出来ない。だが、難しいとかそういうレベルの話じゃないぞ今のは...!!』