白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第25章 ★赤色王者の猛攻★
伊月『決めた緑間も当然凄いが、それだけじゃない。緑間が構えた位置にドンピシャでパスを入れるなんて、信じられない正確さだ..!』
黄瀬『....こんなの、今までの緑間っちだったら考えられないっすね』
森山『え?』
黄瀬『緑間っちは本来絶対の自信を持ったシュートしか撃とうとはしないっす。けど今のシュートはパスがどんなに正確でも通常のシュートよりやはり精度は落ちる。いくら赤司っちに勝つ為でも...外れることを覚悟したシュートを撃つなんて、よっぽどチームメイトを信頼してねぇとしないはずっすよ』
『そっか...そうだよね。真太郎も向こうでいっぱい学んで変わったんだものね。良かったね...そこまで信頼できる仲間に出会えて。本当に、良かった...っ』
感極まりうっすらと滲む涙を手の甲で拭いさると、その手をそっと黒子に繋がれる
黒子『凄いですね、緑間君達』
『うん、本当に凄いや。私達も、負けてらんないよね?』
黒子『勿論です』
緑間達のスーパープレーに動揺したのか、洛山選手の動きにブレが見え始めた。洛山の外れたシュートを、リバウンドでもぎ取ると、速攻をかけ再び高尾→緑間による空中3Pを連続で決める
日向『形は違うけどよ、似てんなお前らと。まるで秀徳の光と影だぜあれは』
黒子『...そうですね』
日向の言葉に少し複雑そうな表情を見せながら答える黒子。そんな彼の頭を零蘭は優しく撫でる
『テツヤの気持ちは分からなくはないわ。(私じゃきっと、彼をあそこまで輝かせてあげられなかった...)』
木吉『空中でパスを貰ってそのまま3P...とんでもない技だな』
伊月『けどなぜここまで温存を...?』
『というより、ここまでが真太郎の描いてたシナリオなんだと思います。中学時代、彼らはその力を全開にすることは禁じられてました。大きすぎる力に体がまだ追い付いていかなかったからです』
黒子『お互いの手の内こそ知ってはいても直接本気で戦ったことはありません』
木吉『つまり緑間も天帝の眼を体感するのは初めてだった。そしてやはり、賭けに出なければ勝てないと思った』
『あれは征十郎対して効果的だけど、失敗のリスクも大きいはず』
火神『けど賭けに出た甲斐はあったんじゃねぇすか。その証拠に、今までずっと涼しい顔してた、赤司の顔色が変わった』