白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第25章 ★赤色王者の猛攻★
会場入りした誠凛メンバーは、着替えや準備のため控え室に集合していた。
伊月『悪い、ちょっと出てくる』
木吉『おう、分かった...伊月』
何となく彼に何があったのかを鋭く察した木吉が呼び掛ける。
伊月『大丈夫。もうあんな事はしないよ』
木吉『そうか...』
伊月『悪いな』
『いいえ。俊先輩、昨日は兄が失礼な事を言って、すいませんでした』
伊月『いや、良いんだ。あれから家に帰って冷静に考えたら、確かにそうかもしれないと思った』
『え?』
伊月『俺はキセキの世代や、アイツに比べれば関係は浅い。俺は零蘭の事を分かってるつもりで何も知らないんだ。そんな俺がお前の恋人面するのは確かに軽はずみだった。でもだからこそ、それで諦めるんじゃなくてこれから知っていきたい。お前に心から寄り掛かって貰えるように』
『俊先輩...嬉しいです。私も、貴方の事がもっと知りたい。先輩に私を愛したことを後悔させないためにも』
伊月『あぁ、ありがとう』
優しく抱き寄せると、甘えるように胸に擦り寄る零蘭に愛しさが込み上げると同時に、あの日を思い出すような匂いに目を細めた。
伊月『あの時感じた匂いは、あの洛山の選手だったのか』
『!!先輩...』
伊月『大丈夫、大丈夫だ。もうあんな事はしない...でも、嫉妬はした』
怯えた表情の零蘭を宥めるように頬や額にキスをしていくと、くすぐったそうに身を捩りながらも、安心しきった顔で受け入れた。
『でも今は貴方しか見てませんよ?』
伊月『分かってる。今日の試合、必ず勝つから見ててくれ』
最後に唇にキスをすると、そっと体を離した。
『はい。応援してます、頑張って下さい』
火神『すいません、遅くなりました』
日向『遅ぇよ』
リコ『ちゃんとバッシュは買えた?』
黒子『はい。零蘭さんありがとうございました。無事に桃井さんと青峰くんから貰うことが出来ました』
火神『わりぃな零蘭』
『バッシュが手に入って良かったわ。今度大輝にお礼しなきゃね』
木吉『そろそろ時間か』
『あ、じゃあ私先に観戦して来ますね』
リコ『そうね、お願いするわ』