白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第25章 ★赤色王者の猛攻★
『おはようございます先輩方』
リコ『おはよう零蘭ちゃん!』
零蘭を見つけるや否やギューっと抱きついてくるリコに抱き締め返すと、後ろから軽く小突かれた。
日向『朝から何やってんだ』
リコ『いいでしょ別に。日向くんってば羨ましいの?』
日向『はぁっ///!!!んなわけねぇだろ!!』
赤い顔で説得力ないなぁと思いつつも、全員電車に乗り込んだ。
日向『バッシュが壊れた!?』
『はい、でもツテはあるので大丈夫です。それに私達は夕方からなので』
話しながら電車に揺られて数十分、降りる駅に到着したため、リコを先頭に降りたのだが思いの外降りる人数が多く、その波に押されてリコはバランスを崩した。
リコ『わっ...』
?『っと...』
リコ『あ、すいません』
?『あらあら大丈夫?気を付けなきゃダメよ?』
リコ『ど、どうも』
日向『カントク!』
?『ちょっと、女の子はちゃんと守ってあげてね。って、あら零蘭じゃない』
『玲央!』
零蘭は嬉しそうに実渕の元へ駆け寄ると、実渕もそんな零蘭を愛おしそうに見つめると、優しく頭を撫でる。
実渕『元気そうでよかったわ。今日はお互いに頑張りましょ?』
『うん♪』
実渕『そうだわ、零蘭』
『ん?』
妖しげに目を細めると、そっと零蘭の耳元に唇を寄せて囁く。
実渕『今日の試合、終わったら会いたいわ』
『...いいよ、少しの間なら』
笑顔で答えると、ありがとう♪と上機嫌な様子で零蘭達に背を向けてホームを降りていった。
リコ『零蘭ちゃん知り合い?ジャージからして洛山の選手だったわね』
『はい。この前知り合ったばかりですが』
僅かに頬を染める零蘭に再び抱きつきたい衝動を抑えながら、リコはメンバーを引き連れて会場へ向かった。
伊月『零蘭...』
『俊先輩...あの、昨日は』
伊月『その事で話したい。会場についてからでいいか?』
『はい...』
不安そうに歩く零蘭の手がそっと繋がれ、驚いて隣を見上げると、安心させるような笑みが向けられていた。