白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第24章 ★灰色の黄色の交戦★
花宮『(確かに細ぇ...ただでさえ元から痩せぎみのくせに)時間になったら終わりっつっただろ...いいから寝ろ』
零蘭の細さに怪訝な表情を浮かべながらも、逃げないように腕に閉じ込める。多少抵抗はしたもののすぐにされるがままになり、胸に顔を埋めた。
花宮『...あんま朔夜サンに心配かけてんじゃねぇよ』
『ごめんなさい...』
花宮『それは本人に言え。戦略なんざお前以外の能無し共でもやってる。お前だけがやんなくてもいいだろうが』
『だって、これぐらいしか私には出来ることがない。チームの役には立てない』
花宮『それを本気で言ってんなら、お前は相当なアホだな』
『なにそれ、どういう意味よ』
不貞腐れているのが声だけでも分かり、薄く笑うと零蘭のサラサラの髪を鋤くように撫でながらそっとキスを落とした。
花宮『自分で考えろ。んなことより、さっさと寝ろ』
『ん...おやすみ真』
撫でられる感触と愛しい人の温もりに眠気が一気に襲い、僅か数分足らずで夢の世界へと旅立った零蘭を確認すると、花宮自身も目を閉じた。
朔夜『行ってらっしゃいませ、お二人とも』
『行ってきます朔夜。....それと、いつも心配かけてごめんなさい』
朔夜『お嬢様...これからは、無理をせずご自分を大事になさってください。我々使用人、誠凛のみなさん、他校の皆様、そして花宮様も貴女様が必要なのですから』
優しく微笑む朔夜に釣られて笑いながら、そっと一度だけ朔夜を抱き締める。
花宮『零蘭、途中まで送る。行くぞ』
朔夜『花宮様、お待ち下さい』
花宮『....先行ってろ』
『分かった』
零蘭が出ていき、扉がパタンと閉じると花宮は朔夜と向かい合った。
朔夜『昨日はありがとうございました』
花宮『別に構わねぇよ。それより出来るだけ寝る時側にいてやれ。多分あいつは、一人になるのが嫌なだけだ。親が早い内にいなくなって甘えられなかった分が今来てる。アンタが難しいなら俺か、癪だがキセキの世代の連中でも呼べ』
朔夜『宜しいのですか?』
花宮『俺なら割と来てやれる。あいつらは零蘭を泣かせた腹立つ連中だが、それでも慰めぐらいにはなんだろ』
朔夜『...分かりました』