白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第24章 ★灰色の黄色の交戦★
伊月『零蘭を離せ花宮』
花宮『こいつは俺が連れて帰る。てめぇの役目はここで終わりだ、帰っていいぜ』
伊月『なっ....!!いきなりなんだ、零蘭は俺が送っていく。そもそもお前みたいなのが零蘭に触るな!』
花宮『おいおい、俺はコイツの"兄さん"なんだぜ?触れる権利は誰よりあんだろ?つかそれを言うならお前の方が権利はねぇだろ。お前、コイツのなんだってんだ?』
伊月『俺は...俺は零蘭のもので、恋人だ。彼女に愛されている自信はある』
今にも殴りかかりそうなほどに殺気を渦巻かせながら睨みつけるが、花宮はそれに圧されるわけでもなくただ嘲笑った。
花宮『ふはっ....!随分な勘違い野郎だな。数ヶ月過ごしたくらいでコイツの男気取りか?』
伊月『なんだと....』
花宮『ったくどいつもこいつも勘違い野郎ばかりで虫酸が走っちまう。てめぇらはコイツの事を何も分かってねぇ。一方的に勝手な理想を押し付けてるだけだ』
伊月『そんな事』
『兄さんやめてっ...』
腕の中で瞳を揺らしながら不安げに見上げる零蘭に軽くため息を吐くと、零蘭を抱えたまま伊月の横を通り抜けていった。
伊月『っ、待て花宮!』
花宮『自惚れんな。てめぇはまだ零蘭に完全に心許されてねぇ』
伊月『!!!』
『ちょ、兄さん...!俊先輩っ、本当にすいません!送ってくれてありがとうございました...待って、押さないでよ!』
花宮に強引に連れ去られる中、零蘭は必死に礼を伝えるとそのまま暗い夜道へと消えていった。そして、残された伊月は呆然と立ち尽くすばかりだった。
伊月『俺は...』
『もう、兄さん何であんな事言うの!?』
花宮『事実だろうが』
『違うわよ、彼の事は本気で愛してる。兄さん何がしたいのよ』
花宮『うるせぇ、いいから行くぞ』
これ以上は無駄だと思った零蘭は大人しく花宮に寄り添いながら家に向かった。
『そういえば兄さん、何でここに来たの?』
花宮『..母親が仕事で家にいねぇから泊まりに来た。朔夜サンにはもう言ってある』
『はぁ...最初に言ってよねそれ』