白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第24章 ★灰色の黄色の交戦★
海常が福田総合を破り、残る学校は誠凛・海常・秀徳・そして洛山の四校となり、明日の準決勝が行われる。
『明日はいよいよ海常とあたるのね。楽しみだわ』
黒子『絶対負けません』
火神『たりめーだ』
リコ『さぁ、今日も作戦会議よ!』
明日の海常戦に向けての作戦会議を終え、いつも通り解散となりそれぞれの帰路についていた。
伊月『零蘭、待ってくれ。家まで送る』
『え?でも俊先輩お疲れでしょう?』
伊月『俺が送りたいんだ。それにカントクには日向や木吉、立花には帰り道が一緒なコガ達がついてる。火神や黒子はそれぞれ自主練行っただろうから、俺がお前を守るよ』
『っ....///ありがとう、ございます』
優しい笑みにほんのりと頬が赤くなるのを感じながら、零蘭は伊月と共に帰り道を歩いていった。
伊月『静かだな』
『こういうの好きです』
街灯が幾重にも等間隔で連なり、ほの暗い冬の夜の住宅街を点々と照らす中、ゆっくりと歩いていた。
伊月『零蘭は夜が好きなのか?』
『えぇ。夜は静かで、美しい。昼間の喧騒とは真逆の世界です。心を落ち着かせてくるし、それに』
スルッと伊月の腕に自身の腕を緩く絡ませ、妖艶に笑いながら見上げる。
『こういうことも、それ以上の事も出来る時間帯ですからね』
伊月『零蘭///』
思った通りに伊月の表情が変わったことに気分を良くした零蘭だったが、その甘い雰囲気を断ち切る声が背後から放たれた。
?『あれ~?白崎零蘭ちゃん?』
伊月『お前っ....花宮!!』
『え、なんでここに...?』
花宮『偶然通っただけなんだけど、まさか君がいたなんて』
『兄さん、猫被んなくていいよ。俊先輩、私たちのこと知ってるから。てか私が言った』
零蘭の言葉に花宮の表情が崩れ、人当たりの良さそうな笑みから、いつもの悪童らしい見下すようなものに変わった。
花宮『なんで言った?』
『状況が状況だったのよ』
花宮『ちっ、まぁいい。それよりお前はこっちだ』
腕を引かれ、片腕で抱き寄せられると途端に伊月の目が鋭さを増す。