• テキストサイズ

白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~

第24章 ★灰色の黄色の交戦★




"今なんつったリョータ?"


"だからスタメンの座を賭けて勝負してくれっつったんすよ"


"いいぜ、じゃあちょっと本気で相手してやるよ"





"あーらら"


"まぁ、さすがにまだ早すぎたな"


"祥吾くーん、練習終わったぁ?"


"あれって、最近できた黄瀬の彼女じゃ...?"


"え、でも黄瀬って..."





"へぇ...良い度胸ね涼太?"


"零蘭、っち....?"





黒子『零蘭さん、笑ってるんですか?』


『ん?ええ...別に変な意味はないわ。ただ、涼太の勝利を確信しただけよ。それよりテツヤ、言いたいことあるんじゃないの?』



黒子『...はい』


黒子は零蘭と目を合わせ、互いに強く頷くと、席を立ち上がり、普段は出さないほどの大声で叫んだ。


黒子『信じてますから!!黄瀬くん!!』


観客が突然の大声と、その声の主が見当たらないことにざわつくも、当の黄瀬本人には観客席で自分を真剣な眼差しで見つめる黒子の姿をとらえていた。


黄瀬『黒子っち...零蘭っちまで...(なんすかもう、見に来る頃には圧倒してるって言ったのに、カッコいい所だけ見せたいって言ってたのに。今の俺って、チョーダサいじゃないっすか。でも、あの子は今笑ってる。俺が勝つって信じて...)』


フッと固かった表情を緩め、立ち上がると灰崎に向き直る。そこに暗い雰囲気などもうない。


黄瀬『言っとくけどショウゴくんさぁ勘違いしてるよ、あの子の事とか。勝手に付きまとって彼女名乗られてウンザリしてたんすよ正直。プライド高くて自慢話ばっか。モデルと付き合ってるってステータスが欲しかっただけなんすよあれは。つか、そのせいで零蘭っちにも勘違いされて、暫く口聞いてもらえなかったんすよ?ほんっとしんどかった。


てなわけで、見た目だけで群がってくるバカ女の内一人取ったくらいで、調子乗ってんじゃねーよ』


灰崎『あ"?』




試合再開、ボールは黄瀬に回されるも灰崎は余裕の表情でポジションに向かっていく。


灰崎『てめぇにはなんもねぇ。残りカスなんだよリョータ』


だが黄瀬は変わらずに笑みを浮かべたまま、ボールを抱えた体を大きく沈み込ませた。


『あの構えは....』



/ 290ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp