白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第24章 ★灰色の黄色の交戦★
『っは、思いってそっち?』
氷室『あぁ。バスケの事での思いは今のでもう言い切った。だから、今からは君への愛の思いだよ。出会って過ごした期間は短くても、君に恋するには充分だ。スタートラインが遅かったし、普段は会える訳じゃない。だからこそ触れあえる距離にいる時は、こうしていたいんだ』
頬を滑らせる手の感触と蕩けるほどの甘い笑みに、うっとりと瞳を潤ませながら、零蘭自身が弱い"年上からの愛情表現"に酷く鼓動を高鳴らせた。
『辰也っ...///』
氷室『愛してるよレイラ、君だけを愛してる』
再び送られるキスに酔いしれていると、突然医務室のドアが無造作に開かれた。
紫原『いたいた~。ホントに医務室にいたんだね室ちん...って、何してるわけ?』
『っ、あ、敦!?』
氷室『やぁアツシ、どうして来たんだい?確かに医務室に寄るから遅くはなると言ったけど』
『辰也、どういう事?』
氷室『あぁ、ここに来る途中に一応アツシにメールで連絡を入れておいたんだ。でも、来てくれとは』
紫原『うん、言ってはなかったんだけど、主将とか雅子ちんに伝えたら、心配だから一応迎えに行ってやれって送り出された~。つか、いつまで白ちん押し倒してるわけ?』
眉間に皺を寄せる紫原に、氷室は苦笑しながらも零蘭を抱き起こし、体を離した。
紫原『てことで白ちんゲット』
『わっ...』
氷室が手離すと同時に二人の元へ行き零蘭を持ち上げると、彼女が座っていた場所に腰を掛け、自身と面と向かうようにして膝の上に下ろした。
紫原『疲れたし白ちん補給』
『もう...』
甘えるように抱きつく紫原に呆れながらも、背中に腕を回し軽く叩いてやる。
氷室『そうだ。アツシもレイラに謝らないとダメだよ?試合中に口喧嘩、というよりあれは一方的なアツシの嫉妬だろ?』
紫原『...え~』
『待って...どういう事?』
氷室『俺が見るにあの時のアツシの言動には、もしかしたら本心も入っていたと思う。だけど、本当は自分を選んでくれなかった事への嫉妬心をぶつけていたんじゃないかな?俺のように』
『どうなの?敦』
下から覗き込む零蘭の不安に揺れる橙の瞳に、紫原は反らすことが出来ず、はあ...と息を吐いた。