白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第24章 ★灰色の黄色の交戦★
『嫌いになんて、なれないわ』
氷室『...良かった。君に嫌われたら俺は生きていけなくなるよ』
『それは私も同じよ』
氷室『..もう1つ謝らないと。試合前の日、俺はアレックスに酷い事を言ってしまった。「アレックスは親じゃないし、いつまでも子供扱いは不愉快だ」「もう俺は君より強い」ってね。それと似たような感情を実は君にも抱いていたんだ。さっきアレックスには謝ったけど、君には....』
『そう...ちょっと、ショックだわ』
抱き締めているため顔は見えないが、僅かに震える体と自身の背中の部分を弱く握る感覚で、明らかに感情が揺れ動いているのが分かった。
氷室『君よりも強い、そう確信して挑んだのに結果は君の策が勝利を導いた。結局俺はタイガにも君にも勝てなかった』
『辰也....』
氷室『俺はただ、嫉妬していただけなんだ。君の実力に。後から始めたタイガが俺を越していく事に。...そして、そんなタイガのいる高校を君が選んだ事に』
『え...?』
氷室『苦しかった。どうして俺の周りの人はこんなにも才能に満ち溢れて、先へ進んでいくのか。どうしてこんなに愛しい人の隣が俺じゃなく、あいつなんだ?俺は、タイガに実力で勝てないだけじゃなく、君の側にいることさえも出来ない....辛いんだよ、レイラ』
段々声に覇気がなくなっていく氷室にかける言葉が見つからず、ただひたすらに背中を撫でてやるしかできなかった。
氷室『っ...すまない。俺は、』
『いいの、いいのよ辰也。今日は頑張ったんだもの。好きなだけ、貴方の思いを受け止めるわ。だから、我慢しないで』
氷室『本当に、敵わないな...』
『それが今の私に出来ること』
氷室『そうか、なら...』
抱き締めたままその場にそっと押し倒すと、零蘭の柔らかい唇に噛みつくようにキスをした。
『んぅっ...///』
少し身をよじるが、すぐに大人しく受け入れ始めたので抵抗する気はないと悟ると、一度離して再び口づけると、僅かに空いた隙間からそっと舌を差し込んだ。
『っあ...ん..ふ///』
氷室『ん、好きだ...レイラ』