白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第24章 ★灰色の黄色の交戦★
火神『わりぃ黒子!零蘭!』
『ほんっと、手のかかる子よね』
黒子『それは貴女もですよ』
『テツヤ?』
黒子『喧嘩したまま良いわけがありません。紫原くんと仲直りしてくださいね?大事な幼馴染なんでしょう?』
『...うん、今日帰ったら電話してみる』
黒子『いい子ですね』
優しく零蘭の頭を撫でると、仄かに頬を染めその感触を心地よく受け入れた。
『ん...テツヤ、私大我を見てくるわ。辰也にも言いたい事あるし、勿論二人の話を見届けてから』
黒子『分かりました。主将達には僕から言っておきます』
『ありがとう』
『えっと、確かここを出て...うっ、さすがに寒いなぁ。二人はどこかしら?....声が聞こえる、あっちね』
外へと出た零蘭は冬の夜風に体を震わせながらも辺りを見回し二人を探していた。すると奥の角から人の話し声が耳を掠め、それを辿るように歩き出した。
だが零蘭の目に飛び込んできたのは、思いもよらない人物との再会だった。
『嘘....なんでここにいるの...祥吾。っ、ダメっ!』
髪型は変わっても、その暴力的な瞳に一瞬で灰崎だと気がついた。そんな彼が、氷室と火神の前に立っていたのだ。驚きに足を止めるが、今にも二人に襲いかかりそうな灰崎に寒気が一気に駆け抜け、気がつけば体が勝手に反応し、鞄を放り出すとダッと駆け出し、二人を守るように前に立ち塞がった。
『『零蘭っ!!?』』
『ダメよ祥吾、彼等には手を出さないで!』
灰崎『...あ?なーんだ零蘭じゃねぇか。久しぶりだなぁ~、なぁこっち来いよ!』
『やっ...!』
灰崎はニヤリと笑うと、零蘭の腕を掴み自身に引き寄せると、グイッと指で上を向かせる。
火神『零蘭っ!てめぇ!!』
『っ、大丈夫よ大我』
火神『ちっ...!!』
駆け出そうとする火神を声で制止させると、その状況に灰崎は更に笑みを深めた。
灰崎『おーおー随分手懐けてんじゃねぇか。あいつもお前の男ってか?なぁ、零蘭?』