白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第24章 ★灰色の黄色の交戦★
次の試合を観戦するためにコートを離れた誠凛だったが、その前に月バスからのインタビューに対応する事となった。
?『君、マネージャーの白崎零蘭ちゃんだよね?』
『はい』
?『去年一昨年の月バスに載ってたよね!帝光中の勝利の女神ってウチでも話題になってたよ!』
『あはは...ちょっと恥ずかしいですね』
?『今日の試合、選手達どうだった?』
『そうですね、何度も危ない部分もありました。でも、その度に主将を精神軸としてみんな頑張ってくれました。特に一年コンビの成長が著しくて、夏の特訓が報われます。だけどそんな彼らを二年の先輩達・同じ一年の三人が支えて下さるからこそだと思っています。私には勿体ないチームですよ』
伊月『流石零蘭は注目されるな...』
日向『そんで対応もバッチリとか』
黒子『零蘭さん、インタビュー慣れしてますからね』
月バスの取材を終え、観客席へと向かう途中、黒子は火神を呼び止めた。
黒子『火神くん、ちょっといいですか?』
火神『あ?』
黒子『僕今、ちょっとムカついているんですけど』
ゾオオっとした負のオーラと無表情に火神はたじろぐ。
火神『なんで!?試合勝ったじゃねーか!』
黒子『問題はその後です。氷室さんと、あれで良かったんですか?』
火神『....しょーがねーだろ。勝っても負けても兄弟やめる、そういう約束だったんだからよ』
黒子『揃いも揃ってアホですか?』
火神『あ"ぁ!?』
声を荒げる火神の前に、黒子は預かっていたリングを差し出す。
火神『おまっ、これ捨てろって』
黒子『捨てられるわけないでしょう。とゆうか寧ろ僕にはあの時、捨てないでくれと言ってるようにしか聞こえませんでしたが』
火神『....』
『そうよ大我』
火神『零蘭...』
二人が来ないことに気がついた零蘭が後ろからそっと火神の腕を叩く。
『大我のあの時の決心も、辰也の思いも分かるけど、兄弟である事と好敵手である事、両方でいる事はそんなにも難しい事かしら?』
黒子『さっき表に行くのを見ました。ちゃんと仲直りしてきて下さい』
火神は黒子の掌のリングをしばらく見つめるとそれを手に取ると走り出した。