白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第23章 ★紫色との大戦★
『行けっ!テツヤっ!!』
彼女の声に影は答えた。紫原の手から離れたその瞬間、追い付いた黒子が弾き返したのだ。同時に試合終了のブザーと声が響き、ついに誠凛の勝利が確定した。
?『試合終了!!!』
ワァァァァ!!!!と会場が沸き、誠凛の選手・ベンチ全員がその勝利に喜びを爆発させた。
リコ『やったわね零蘭ちゃん!立花ちゃん!!!』
『はいっ!!良かった...本当に!!』
立花『やりました!!!私達、勝ったんですね!!』
三人は互いに強く抱き締め合い、喜びを分かち合った。
?『73対72で誠凛高校の勝ち!礼!!』
『『『ありがとうございました!!!!』』』
氷室『負けたよ、タイガ。約束通り、もう俺は兄とは名乗らない』
火神『...あぁ、分かったよ』
黒子『.....』
木吉『紫原、またやろーな』
紫原『はあ?やだよ。だって俺もうバスケやめるし』
ギッと睨み付けながら髪のゴムをほどく。サラッと長い髪が流れ、汗ばんだ首もとに張り付くのを気にも止めず、紫原はそっぽを向いた。
紫原『室ちんが余りに必死だったから最後までやったけどやっぱつまんなかったしー。ただでさえ面白くないスポーツなのに負けちゃったらこれ以上やる意味なんてねーよ』
木吉『そっか。じゃあしょうがないな...もしそれがお前の本音だったらな』
木吉の言葉に返す事はせず、紫原はベンチへと戻っていった。
火神『やめちまうのかあいつ』
黒子『まさか、だって彼が心底バスケを嫌いなはずありませんから』
『そうね、何だかんだ言ってあの子はバスケを続けるでしょうね。それにゾーンにも入れた。ゾーンへの最低限必要な事は備えてる』
リコ『みんなお疲れ!喜ぶのはひとまず後にして、次が待ってるから出るわよ!』
日向『次の試合勝った方が明日の相手だ。このまま上上がるぞ』
『『『はいっ!!/おうっ!!』』』
荷物を手早く纏め、移動する誠凛の横を青の集団、海常高校が過ぎていく。
黒子『準決勝で待ってます』
黄瀬『勿論っすよ』
『涼太...頑張って』
黄瀬『ありがとう零蘭っち』