白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第22章 ★火神の師匠★
今吉『勝って兜の緒を締めよっちゅうことわざがあるくらいやからな。勝ったらどいつもこいつも緩むんや。完璧な人間なんておらんし、そもそも自信と慢心は紙一重。
つまり今日の試合、誠凛にとって一番の敵は自分自身ってことや...。まぁ、そんなもんで負けるなんぞ、あのお姫さんは許さんやろうから、何かしらアドバイスぐらいはかけるやろ』
諏佐『お姫、さん?』
今吉『誠凛の白いマネージャーや。....なんか考えたら会いたくなってきたわ』
『(うぉっ...!?なんか今ゾクッときた。まぁいいや、今はこっち)リコさん、一度タイムアウトをとった方がいいかと』
リコ『....そうね』
?『誠凛高校、タイムアウトです!』
ベンチへと戻った日向達は神妙な顔つきで静かに休憩をとる。零蘭は一番暗い顔をしている日向にタオルを渡す。
『日向先輩、気付いているのでしょう?』
日向『あぁ....』
『いつまでも勝利の余韻に浸っているつもりです?桐皇を倒すのがゴールじゃない。それを踏まえて、さあどうぞ』
そう言って差し出したのは、今大会のパンフレット。そのトーナメント表が記されているページだった。受け取った日向は強く頷いた。
日向『わりーな白崎。皆、見ろ。分かっていると思うが確認するぞ俺らが目指してるのは、ここだ』
周りにチームが集まる中、日向が指差したのは優勝を示す場所。
日向『出場してる50校、その全てが熾烈な予選を勝ち抜いて書く都道府県の代表になったチームだ。一校一校が予選で散ったチームの思いを背負って出てきてる。血反吐出るほど練習して死に物狂いで生き残ってきた。そんなやつらすべて倒した一校にしかなれないんだ。
日本一が軽いものなはずないだろう。
必死なのはどこも一緒だ。頭じゃ分かってたけど...心のどっかにまだスキがあったみたいだ。つーわけでカントク、渇入れるために一発景気良いの頼むわ!』
リコ『そんな...私なんてか弱いし...』
そう言いながらも袖をまくりギュンギュンと腕を回すリコに冷や汗が伝った
日向『ノリノリみてーだからとっとと頼むわ(汗)』
?『タイムアウト終了です』
日向『っしゃ行くぞお!!』
『『『おお!!』』』