白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第22章 ★火神の師匠★
二人のやり取りに満足そうに微笑んでいた零蘭はバスケ場の外から見知った人の気配を感じた。
『じゃあ、後の事は貴方に任せるわ。頼んだわよ大輝』
青峰『あ?どこにいくんだよ』
『ちょっと気になることがあってね...私がいなくても大丈夫でしょ?』
青峰『おいこら待て』
『わっ....』
去ろうと背を向けた零蘭の手を掴んで引き留めると、後ろから抱きしめ黒子に届かない程度の声でハッキリと言った
青峰『やっぱお前良い女だな...』
『なに?っん....///』
思わず首だけ振り返ると、先程のように顎を掴まれ唇を奪われる。冬の寒さとは無縁の温かな感触に、委ねるように体も向き直り、僅かに開いた口から差し出された熱い舌を絡ませる。
『っはぁ...///』
青峰『ありがとな、零蘭』
『少しは貴方を救えたなら、私もちょっとだけ救われたわ。昔の私は非力だったから、苦しむ貴方達に何もしてあげられなかった』
青峰『んなことねぇよ...』
『そう、ありがとう。じゃあ私は行くわ、テツヤの事お願いね』
青峰『んじゃやるかテツ、ってうおっ!!撃てとは言ったがイグナイト撃てなんて言ってねーぞ!!』
黒子『すみません、イラっとしたので』
『(確かに私がテツヤに教えることはできる。だけれどきっと彼は普通のシュートスタイルじゃ撃てない。だったら様々なスタイルで撃つことのできる大輝なら....)さて、隠れてないで出てきたらどう?』
バスケ場を後にした零蘭は、先程から感じていた人の気配のする暗闇に向かって言うと、奥から二つの影が姿を見せた。
『覗き見なんて良い趣味してるのね。真太郎、和成?』
緑間『そんな悪趣味な真似はしていないのだよ。偶然通りかかっただけだ。声をかけようと思ったが黒子や青峰までいては面倒だから止めた』
『それで帰ろうとした矢先私が来たって事ね....ふーん。とりあえず試合おめでとう、そしてお疲れ様』
緑間『当然なのだよ。俺達はお前達に負けて以来更に強くなったからな』
『相変わらずね....そんな所が真太郎らしくて私は好きだけれど』
緑間『ふん///』