白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第22章 ★火神の師匠★
次の日の夜、誠凛一同はアレックスを連れて、試合がない代わりに他の試合観戦をしていた
アレックス『いやぁ正直日本のバスケをなめてたとこあるんだが....謝らなきゃなんねーなこりゃ』
意気揚々と観戦をしていたアレックスは、日本のレベルに感心していた。体格とパワーは足りない所はあるものの、スピードと戦略には決して劣ってはいない。
選手としてもだったが、指導者としても腕のたつアレックスは選手一人一人の能力を見るにも長けていた。去年ベスト4の大仁多高校の全国屈指のPGの実力にもすぐ気がついた
『(ジー....)』
アレックス『ん?どうしたレイラ、なんか付いてるか?』
『あ、いえ。やっぱりアレックスさんは凄いです。情報もなしに数ある中から実力のある選手を見いだせる。流石です♪』
アレックスの見極める能力を純粋に尊敬した零蘭は昨日のように瞳を輝かせた
アレックス『なんだよ可愛いなぁ♪そんなこと言っても何も出ねぇぞ〰️♪チューしてやる♪』
火神『だからキスすんなって言ってんだろ!!』
アレックス『なんだよタイガ〰️嫉妬は見苦しいぞ〰️?』
火神『はぁっ///!?そんなんじゃねーよ!』
『ふふっ♪(確かに彼は全国屈指。だけれど今日の相手には勝てないでしょうね)』
零蘭は視線を大仁多高からすぐ横に向けると、タイミング良く入場するオレンジの集団が現れる
アレックス『!!』
とてつもないオーラに包まれた緑間の姿にアレックスは目を見開いた。そして一瞬で悟った。この選手は先程奴の比ではないと。
試合は圧倒的だった。緑間のスリーが得点元となり109対71で大仁多高校を破った。
試合を終え、ベンチで汗を拭いていた緑間の視線は自然と観客先をさまよっていた。彼が探すのは唯一人の愛しい愛しい白い小悪魔。
緑間『!零蘭...』
目が合った瞬間、零蘭は肘置きに腕を預け、そこに寄りかかり妖艶に微笑む。勝利を誉めてあげるとでも言いたげな玉座に君臨する女王のオーラ。緑間は一瞬駆けていきそうになるがすぐに足を止め、返事代わりに物々しかった表情を少し緩めた。