白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第22章 ★火神の師匠★
〔零蘭side〕
玲央と別れて大我の家についたのはいいけど、さっきから心臓が分かりやすいほど煩く鳴ってる
『玲央に、キスされた...///』
さっき会ったばかりの人にキスされて、普通なら違う意味でドキドキするだろうけど、何故か"嬉しい"という感情が広がっていく
やっぱり年上からされるのはどうしても過剰に反応してしまう。理由はわかってる....年上には少なくとも"余裕"というものがある。それはどんなに気弱な人でも。それを私は一目見ただけで感じ取ってしまう。
唇を離された後に見た玲央の男を思わせる表情...
思い出しただけでどうにかなってしまいそうだった
〔noside〕
『ただいま帰りました...って、みんな....!』
リビングのドアを開けた零蘭の目に映ったのは、出掛ける前はワイワイと鍋を食べていたメンバーが全員死んだように倒れている光景だった
『電気が消えてるから何かおかしいと思ったけど、まさかこれは....』
さながら火曜サス◯ンスのような惨劇に冷や汗が頬を伝う
すると、そんな死体まみれの中から僅かな声が聞こえた
伊月『うっ.....』
『俊先輩!大丈夫ですか!?』
その声に気づいた零蘭は慌てて荷物を床に置くと、伊月の元へ駆け寄った
伊月『零蘭、か?....そうか、お前はアレ食べてなかったから、無事だったのか』
『はい、でも一体なんでこんなことに』
辺りを見渡すと台所の上に置かれたあるものが目に入った。
『あれって...まさかプロテイン(汗)?』
伊月『あんなものが入ってたのかよ....』
『原因も分かったことですし、とりあえず水でも飲みましょう。起きれますか?俊先輩』
伊月『あぁ...』
起き上がろうとする伊月を手助けしようと、手を伊月の背に回しゆっくり起こす
自然と二人の距離が近くなったことに気がついたが、互いに気にはしなかった
だが、急に伊月の顔が曇った
伊月『零蘭、知らない匂いがするな...』