白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第20章 ★WC開始★
手を引かれながら連れて行かれたのは人気のない行き止まりの道。建物の影が征十郎の深紅の瞳をより妖しく際立たせている
赤司『改めて、久しぶりだね零蘭』
『ええ....もう一人の貴方は元気かしら?』
すると自分ではないもう一人の事を聞かれたのが気に入らなかったのか、征十郎は瞳を鋭くし私を睨み付ける
赤司『.....何故あいつの話をする?』
『心配だからよ...』
元の彼を愛していたのは間違いないんだから....
なんて考えていたらいつの間にか壁に押し付けられ、強引に唇を奪われる
『っん....や...はな、して....っ』
赤司『僕に....逆らうな...お前は、僕のものだ』
彼の肩に手を置いて押し返すけどまるで効かず、酸欠寸前で離された
赤司『...あの火神とやらをかばったせいで、お前は.....』
苦い表情で見つめながら頬に指を滑らせスッとなぞられる。その指には僅かながらに血がついていた
『彼にこんな怪我を負わせるくらいなら、私がそれを背負うわ』
大切なチームメイトだもの...守ってみせるわ
赤司『気に入らないな.....僕はこんなにもお前を見ているのに...』
いつか彼がしてくれた、額を合わせて頭をなでる行為。間近で見る彼の瞳はやはり恐怖を覚える。僅かながらに身を震わせた私に気づいた征十郎の瞳は悲しみを帯びていた
赤司『どうしたらお前は僕を見る...?お前と僕以外の全てを消し去ればいいか?それとも、いっそのことお前を殺せばいいのか?』
『あいにく私はまだ死ぬわけにはいかない....貴方の中にいる元の彼に、まだ謝ってないんだから』
赤司『あいつはもう二度と戻ってくることはない。本物は僕になるんだ』
『いいえ、私は信じてるわ。彼は必ず戻ってくる』
真っ直ぐ彼を見つめながらそう言うと、悔しげに彼の顔が歪められる
赤司『っ.....もうあいつの話をするな。今お前の目の前には僕だけだ。僕だけを見ていろ』
再び口付けられた唇は、心なしか冷たく感じた