白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第18章 ★因縁の戦い★
いよいよ最終クォーター
テツヤも投入され、そして休憩中に私が言っていた作戦を試すことになった
兄さんの頭の中には私たちの攻撃パターン全てが組み込まれて、瀬戸さんを使うことにより全てのパスをスティールされてしまった。
そこでテツヤが独断でそのパスコースを変えることにより、敵味方問わず誰も知らない攻撃パターンを作り出し彼のスティールを封じる
作戦は見事成功。その証拠に兄さんのスティール数がガクンと減り、彼の顔に焦りが生じる
さすがに新しいパスコースなだけあってこちら側も意表を突かれているようだけれど、みんな伊達に毎日一緒に練習してなかった
それだけにきっとテツヤの考えも何となく分かるのね。"おそらくここにパスが来るかも"、その程度の認識だろうけれど
こうして誠凛側の逆襲も始まった。着実に点差は縮まっていく
けれど、決定的な攻撃力がまだ足りない…日向先輩....
ガンッ、という日向先輩の撃ったボールがリングに弾かれる音が響いた
また、外してしまったのだ。インサイドでリバウンドを狙う木吉先輩だったけれど、相手チームの妨害に遭いボールを取り損ねてしまった
でもそれ以上に
『もう限界ですね...』
リコさんがギュッと目を瞑り、コートから視線を逸らせた。きっと彼女も気付いたに違いない。彼の足はもう限界に近付いているということに
リコさんは黙って席を立つと、タイムアウトを申請しに行った
リコ『話すことはいくつかあるけどその前に…限界ね。交代よ、鉄平』
木吉『…なっ!ちょっと待てよ!!もう少しなんだ!!それに今抜けたら…』
『いい加減にしろ...』