白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第18章 ★因縁の戦い★
花宮『…って、言う訳ねぇだろ、バぁカ!』
黒子『っ!?』
一瞬でも信じてしまったテツヤは驚きで目が見開かれる
花宮『人の不幸は蜜の味っていうだろ?勘違いすんなよいい子ちゃん?オレは別に勝ちたいわけじゃない、頑張って努力してバスケに青春かけた奴らが、歯ぎしりしながら負ける姿が見たいんだよ!』
兄さんはそこまで言うとテツヤに歩み寄った
花宮『…楽しいかって聞いたか?…楽しいねぇ、去年のお前らの先輩なんて最高に傑作だったわ!』
『…テツヤから離れてくれませんか?』
彼の豹変ぶりに言葉を失ったテツヤの隣に私は立つ
花宮『(零蘭....).…お前か、さっきは大変だったみたいだなぁ、カントクにボールが飛んできて』
『…えぇ』
私はただ彼を見つめる。すると兄さんは私の怪我した右手をそっと手にとる
『...っ...』
黒子『零蘭さん....っ!』
ただいきなり触られたから驚いただけだったが、強く握られたんだと勘違いしたテツヤが心配そうに叫ぶ
そんな中、包帯を巻かれた右手を見て一瞬....ほんの一瞬私にしか見えないように兄さんは悲しげな表情を浮かべた
すぐに元の表情に戻り、手を離した
花宮『はっ、あんなんで終わると思われちゃ心外だな。お前らが歯ぎしりするのは…これからだぜ』
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いつにも増して殺伐としたインターバルだった。第3クオーター開始の時間が近づくにつれ、控室からは言葉を交わすことなく散り散りに選手が出ていった。
ふと私は最後まで残っていたリコさんに声をかける
きっと、さっき木吉先輩に言われた言葉が胸に深く突き刺さっているに違いないわ…だからこそ、まだ彼女の心に躊躇いがあるんだと思う。けれど、
『…リコさん。危ないと判断したら木吉先輩を交代させてください』
リコ『…分かってるわ』
『恨まれ役は私がなります』
リコ『え!?』
『…悲しい顔してないで、ほらいきますよ』