白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第3章 ★入学・誠凛高校★
〔NOside〕
誠凛高校
創立二年目の超新設校
訪れた新入生はその校舎の綺麗さと
大勢の人だかりに驚いていた
それぞれの部活が我先へと新入部員を捕まえるために、必死で勧誘しているのだ
新入生はその人の渦に呑まれながらも体育館を目指して歩くのだ
そんな中、一人の生徒が足を踏み入れた瞬間、全員の動きが止まった
彼女、白崎零蘭はその白と橙の長い髪を春風に遊ばせながら、その口に笑みを浮かべながら門をくぐる
女1『わっ...!』
突然、彼女の近くにいた女子生徒が躓き前に転びそうになる
瞬間、零蘭はその腕とお腹に手を回し、倒れるのを防いだ
女1『すっ、すいませ、ん///』
余りの零蘭の美しさに開いた口が塞がらない
『大丈夫?ここは人が多いから前も大事だけれど足元も気を付けないと...』
女1『は、はい///(なんて綺麗な人///)』
『じゃあ、またね』
去っていく彼女の後ろ姿を見た女子生徒は暫くその場を動けないでいた
零蘭が横を通ると全員が振り返り、瞬間に香る花のような優しい匂いにうっとりとした
?『なんだあの子、チョー可愛い///』
?『手足細くて長っ、身長も高いしモデルかなんかか?』
?『綺麗な髪だなぁ///』
彼女の美しさは性別問わず魅了させた
暫く惚けていた先輩組は突然ハッと我に返ると、何としても彼女を部に入れるために一気に駆け出した
?『そこの君っ!!ぜひ、我がテニス部n』
?『どけっ!!野球部のマネやらないk』
?『それよりもサッカー部に!!』
?『ラグビーのマネに!!!』
次第に彼女の周りには大勢の人だかりが出来き、一歩も前に進めない状況に陥った
だが零蘭は慌てることなくフッと息をはくと、先輩組に向き直り満面の笑みで
『気持ちはとても嬉しいです先輩方...ですが私の入りたい部活はもう決まっているので、申し訳ありません』
ペコッと頭を下げる
すると溜まっていた人だかりは彼女が進みやすいように前を開け始めた