白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第18章 ★因縁の戦い★
ぞろぞろとみんなが戻って来る中、大我が来た瞬間にリコさんは彼の腕を引っ張り強烈なゲンコツをお見舞いした
リコ『何考えてんのバカタレ!!』
火神『いっっ!』
リコ『あんたが退場したら勝てるもんも勝てなくなるでしょーが!!大体向こうは審判に見えないようにやってんのよ!!やんならコッチもバレないようにやんなさい!!』
『リコさん、なんか違います...』
日向『…つっ、そんなことより冷やすもんくれ』
日向先輩に氷の入ったビニール袋を渡すと、彼は表情を歪めながら肘にそれを当てる
『大丈夫ですか…?』
日向『あぁ、心配すんな。お前の方が…痛いだろ?』
『平気ですよ、これくらい。だから今は自分の心配してください』
そう言うと彼は顔を歪めてから私の頭にポンポンと手を乗せてくれた
やっぱり、傷ついていくみんなを見てるのは辛い....叶うならば、私がみんなのその傷を背負って代わってあげたい…
そんな時、木吉先輩が静かに口を開いた
木吉『火神、オフェンスはこの先外から攻めてくれ。ディフェンスもリバウンドはやらなくていい。インサイドはオレだけでいい。4 人は外を頼む』
『どういうことですか!?』
彼の唐突な発言に私を含めみんなが驚愕した
日向『何言ってんだ木吉!!中が特にラフプレーが酷いんだろ!!そんなことしたらお前が集中的に痛めつけられるだけじゃねーか!!』
リコ『ちょっ…ただでさえアンタヒザ痛めてんのよ!?ダメよ!!むしろもう交代して…』
木吉『…だめだ、やる。このために戻って来たんだ。ここで代えたら…恨むぜ、一生』
彼は私達をギロリと睨みつけた。温厚な先輩が初めて見せたその鋭い視線に思わずたじろぎ言葉を失ってしまう
ただでさえ貴方は今年で精一杯なのにここで怪我が悪化したら、もう終わってしまうことになる....大好きなバスケがもう出来なく
なってしまうというのに…どうして....
私、なにしてるんだろ...こんなにも必死な人がいるのになにもしてあげられない
やり切れない悔しさが募り、私はギュッと手を握りしめた