白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第2章 ★逃避行の先の出会い★
飛行機内
元々予約していた最上級クラスの席で、零蘭は一人、徐々に小さくなっていくアメリカを悲しげに見つめていた
『辰也...皆...またね』
顔を窓から離すと、リュックに入れておいたノートパソコンを広げ、素早くキーを打ち込み始める
彼女の仕事の時間だった
『....成る程、昨年に比べて売り上げが2.5%上がっている...新商品のお陰かもね。朔夜には私がいない分の会議の代役とか任せちゃったし、後でお礼しなきゃね』
ピピピ
ノートパソコンから電話の文字が浮かび上がる
enterキーを押し、電話に出た
『誰?』
朔夜『お久し振りですお嬢様』
『あら朔夜...タイミングいいわね』
朔夜『恐れ入ります...ちょうど飛行機にご搭乗された頃かと思いまして』
『当たりよ、でももう少しかかるわ....到着一時間前くらいには連絡するわ』
朔夜『承知しました、ではお気をつけて..』
『よし、頑張らないと...』
零蘭はそっと首に着けている物にそっと触れる
黒い皮に着いている銀色の十字架が天井のライトで美しく光っていた
パソコンによる一仕事を終え、夜も深くなってきたところで、隣接されているベッドに横たわり、電気を消して眠りについた
?『零蘭っち♪起きてよ♪』
『(誰?涼太?)』
?『早く起きるのだよ、お前の声が聞きたい..』
『(真太郎?)』
?『早く俺の名前呼べよ零蘭..』
『(大輝...)』
?『早く白ちんとお菓子食べたいんだけど...』
『(敦..相変わらずね)』
?『零蘭さん、目を覚まして下さい...もう一度、笑ってください』
『(テツヤ..もう大丈夫なの?)』
?『零蘭、起きるんだ..そして僕を、俺を、愛してくれ...』
『(征十郎?今、俺って..)』
?『さっさと起きろよ零蘭..あいつらを支えるんだろ?』
『(修、さん...)』
『『『『『『『零蘭...』』』』』』』
『(分かってる、分かってるから、大丈夫)』