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初恋物語

第5章 記憶喪失


駆けつけてくれた隼人と流先生は柊先生が目を覚ましたことに安堵の表情をしている
けど俺が焦ってる理由がわからないって顔をしている


「ゆぅクン!何があったの?」
「先生、記憶喪失かもしれない
俺のこと知らないみたい」
「嘘。柊が記憶喪失になるわけない」
「おいおい、柊、冗談だろ
柊、ゆぅクンのこと覚えてないのか?」
「よくわからない…けど思い出したい
彼とオレ、どんな関係なの?
あなた方はオレとどんな関係?」
「柊とゆぅクンは恋人同士だ
俺たちは柊の元恋人同士だ」
「恋人…と元恋人…同士…うっ」
「先生?どうしたの?」


先生は頭を抱えながら唸り声を出している
必死に思い出そうとしているのが見て分かる
医師に「藤咲さんにちょっとした記憶テストをしたいので準備ができるまでここで待っててください。」と言われたのでついていくことになった
不安になってる俺を流先生は優しい笑みで俺を見る


「アイツはきっと大丈夫だ
もし記憶喪失になってもきっと君を思い出そうとするだろう
だから心配するな」
「そうだよ!柊はゆぅクンにベタ惚れだもん」
「ありがとう」


二人の優しい言葉に涙が溢れる
医師が病室に戻ってきたので先生の記憶テストが始まる


「では記憶テストを開始しますね
藤咲さん、この方たちの名前を教えてください」
「えっと…すみません、わからないです」
「先生…」
「あなたの職業は?」
「わからないです」
「自身について知ってることは?」
「わからない、何も思い出せない」
「そうですか」


それから医師が何度か質問を繰り返していったけど俺たちに関しての記憶がなかった


「藤咲さんの場合、主にご自身と大切な人との記憶を失っているようですね
記憶の一部を失ってるかもしれません」
「治るんですよね?」
「特に日常生活には問題はないですね
あとは記憶の手がかりになるものを見せたり話したりしていけば大丈夫ですよ」
「そうですか」


病になってなくてよかった反面、つらい現実だと感じさせられる








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