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初恋物語

第4章 廃墟


どれくらい泣いただろう
涙を制服の裾で拭っていると集中治療室から男性の医師が出てきた


「先生!あの…あの人は無事なんですか?
大丈夫なんですか?」
「なんとか一命は取り止めたので大丈夫でしょう
あとは目が覚めるまで待ちましょう
病室は202号室です」
「よかった…ありがとうございます!」


医師にお礼を言い202号室に向かう
隼人たちは「2人きりの時間を邪魔しちゃ悪いからデートしてくる。何かあったら電話して」と言い残してたのでエレベーターに乗り202号室に行くことになった
病室は同室者が2人いて先生の他に女の人と男の人がいる
近くに行くと静かに先生が眠っている
眠っている先生の手をギュッと握る


「先生が無事でよかった
俺、先生がいないとダメだよ。生きていけない
早く目を開けて俺を見てよ」


グスッと泣いてると「うっ…」と声が聞こえた
恐る恐る見ると先生が目を開けている
嬉しくなって先生を見ると予想もしない言葉が返ってきた


「君…誰?なんで泣いてるの?」
「えっ?せ、先生?」
「先生って誰?君はオレのこと知ってるの?」


まさか、そんなはずがない
先生が…記憶喪失だなんて
ナースコールを押しすぐ来るように伝え隼人にも電話をかける


(ゆぅクン?どうしたの?)
「隼人、どうしよう」
(お、落ち着いて。とりあえず流さんと一緒に病院に向かうからそのときに話して?)
「はやく来てね」


電話を切り終えると先生の近くにある椅子に座る
先生が記憶喪失だなんて理解できない
なにかの間違えなの?


「大丈夫?泣かないで…」


不意に腕を掴まれ抱きしめられる
なんで俺との記憶がないのに抱きしめるの?
記憶取り戻してよ
心の中で呟いてると流先生たちと看護婦さん、医師が駆けつけてくれた
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