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初恋物語

第3章 初恋


「ゆぅ?どうしてここに…」
「勉強でわからないとこがあって聞きに行こうと思って
それに先生がいないと寂しいから」


後半の言葉を赤面になりながら言うと先生は生徒会室の中に入った


「少しの間ここで待ってな
すぐ戻るから」


行かないで、と言いたいけど先生の重荷になりたくない
じっと待ってると中から「ここは小さな椅子がないのか」とブツブツ呟きながら何かを探している音がする
ガチャと扉が開き先生が持ってきたのはちゃぶ台サイズの椅子
その椅子を俺の下元に置くと先生は椅子に登って俺の顔の近くに片手を壁に当てた
俺より少し高い位置の先生に心臓がドキドキする


「あ、あの…先生?これは一体…」
「世間で言う壁ドンというものをしたかったから
椅子を持ってきたのはオレの身長が足りないから
もっとゆぅクンをドキドキさせたい」
「せ、せんせ…顔近…ひゃん」
「耳朶舐めただけで感じるなんて可愛い
首筋綺麗だな…んっ」
「んぅ…せんせ…なんで」
「ゆぅクン?」
「俺のこと好きじゃないならこんなことしないでください
キスなんてしないでください
期待させるようなことしないでください
もうヤダ。苦しい」


目に涙を浮かべ逃げようとすると腕を掴まれ抱きしめられた
俺より小さい小さな体で
離れようとすればするほど抱きしめられる力が強くなっていく


「オレから離れるんじゃない
何処にも行くな
ゆぅ!」


初めて…名前を呼び捨てされた
ドキドキが堪らなくて嬉しいはずなのに苦しい


「先生?」
「ゆぅ、オレはゆぅが好きだ
このまま生徒として見ようかと思ったけどもうダメだ
最初はオレのこと好きにならないほうがいいと思ってたよ
オレはいいやつじゃないからね
でもあの告白が頭から離れないんだ
オレはゆぅに惚れている
だからオレだけのものになれ」
「先生が俺の恋人?ホント?
夢じゃない?」
「あぁ。夢じゃないよ
オレの恋人はゆぅだけだ
大事にする」
「うぅ、嬉しい」


ボロボロと涙を流す俺を先生は舌で拭いキスしてくれた
そんな俺たちを影から生徒会長が見ていた
怪しい笑みを浮かべて
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