第6章 バレンタイン
薄力粉とベーキングパウダーをふるいにかけるっと。
力がいるなぁ。
サンジは手早く洗い物をしてる。
アリス「終わったよふるい」
サンジ「そしたら、このヘラで切るように混ぜて」
切るように混ぜる。
結構難しい。
サンジ「こうだよアリスちゃん」
後ろから抱きしめられるように、手が重ねられて混ぜる。
集中っと。
少し顔が暑いけど。
タバコのふんわりと臭いがする。
手が離されて、私は習ったように混ぜる。
均等に混ざる。
アリス「できたよ」
サンジ「そしたら型に流し込んで、160℃に温めたオーブンにいれて20〜30分焼けば完成」
型に流し込むのは慎重にっと。
こぼさないように。
ヘラで残ったのはかき集めて型に入れる。
オーブンに入れてあとは待つだけ。
五分後
私はまだキッチンにいた。
すると扉が開き、中に入ってきたのはフランキーとウソップで疲れてる様子。
フランキー「サンジ、コーラくれ」
ウソップ「俺はアイスコーヒーくれ」
サンジ「はいよ」
素っ気ない態度。
サンジは男性に対する態度は、いつもこう。
ウソップ「アリスはここで何をやってるんだ? キッチンに立ってサンジの手伝いか?」
フランキー「アリスはいつも洗い物の手伝いしてるもんな」
見ててくれた、フランキーが私の行動を嬉しい。
アリス「うん! そうだよ洗い物の手伝い」
フランキー「その割には、まだ片付いてないが」
アリス「今続きをやるよ」
洗い物に手を出して洗い始める。
サンジ「邪魔だからとっとと出け」
ウソップ「なぁサンジ今日のおやつは?」
サンジ「だから! とっとと出てけー!」
フランキーとウソップはキッチンから出て行く。
アリス「サンジ、ここにルフィが来たらどうしよう」
サンジ「平気さ、ルフィは今昼寝してる」
目が覚めないかな。
アリス「目覚めないかな、ケーキが焼けたら」
サンジ「大丈夫、野郎共のおやつならここにある」
冷蔵庫を開けるサンジ中にはプリンが入ってる。
アリス「成る程プリンで誤魔化すのね」
サンジ「そう、アリスちゃんの手作りチョコを好きでもねぇ奴に渡したくねぇだろ?」
私の本命まで見抜いてるんだ。
アリス「私の本命って・・・」
サンジはオーブンを覗きながら答える。