第3章 ACE
「~♪~~♪~♪~~~♪」
崖の草原で海を眺めながら歌う。
水平線はいつも穏やか。
ここに立ち寄る船はあまりない。
ときおり海賊が来るがそれも一年に1・2回程度。
だがもし海軍や政府の船が来れば大変なことになる。
自分の存在が知りわたればたちまち懸賞金が懸けられ追われる身となるだろう。
自分の存在自体が罪なのだから・・・
エフラファの・・・しかも王女が生きていたなんて知れたら混乱が起こる。
死んだことになっていてくれてるだけでありがたい。
だからここで6年も閉じ籠っているのだ。
きっとこれからもそうするのだろう。
ここで一生を終える。
それが安全というものだ。
「ハァ。でも何にもすることがないのよね・・・」
そう呟くと森に戻って行った。
彼女は気付かない。
3隻の大きな海賊船が近づいていることに・・・