第3章 ACE
ここはとある無人島。
私は6年間ここで独りで暮らしてきた。
ドサッ。
捕ってきた食料を乱雑に置いた。
「今日は何にしよっかな~」
昼食を摂っていないので腹の虫が鳴いている。
料理なんてしないでテキトーに焼いて食べようか。
「うん、そうしよう。」
獲物を焼き始めた。
腰には剣がある。
聖幻獣使いの生まれ変わりである証・・・
~シェルダ・ロアム~
剣に触れながらそう呟いた。
すると大きな狼のような聖幻獣のフェンリルが現れた。
_何か用か_
「食事するから見張ってて。」
_了解_
焼いた獲物にかぶりついた。
全て食べ終わり、フェンリルに言った。
「ねぇ、ロアム。6年もこの島にいて退屈になちゃった。」
_知らん_
「そんなこと言わないでよ。元はといえば原因は・・・」
_何度も言うが俺は悪くない_
フェンリルはかったるそうに言い返す。
ハァと溜め息をつき
「もういいわ、シェルダに戻って。」
フェンリルは光の玉となりシェルダの先にある玉(ぎょく)に入っていった。
「さ、後片付けしなきゃ。」
その表情はどこか悲しげだった。
エフラファ崩壊・・・
6年前に起きた悲惨な事件。
それがアリスの運命を変えてしまった。