第3章 ACE
アリスside
「あの海賊はもう船に戻ったわよね・・・。」
アリスはそっとあの場所へ・・・崖の上の草原へ向かう。
「本当にどうしよう・・・。」
正体がばれたことにより不安が掻き立てられる。
『アリス、怖くなったり悲しくなったりしたら歌うのよ!』
記憶の中から蘇る言葉。
「ノワール姉様・・・。」
囁くのはあの日命を落とした姉の名。
『歌お!アリス姉様!!』
「ルミラス・・・!」
辛くなったら歌えばいい・・・。
不安なんて押し殺してしまおう。
『大丈夫、すぐに元にもどるさ。』
「シーア兄様。」
一筋の涙を流し、アリスは歌い始めた。
きっとまたいつものように・・・